あれから何分が経ったか。 …しばらくうとうとしていると、 不意にポンと肩を叩かれ、目が覚めた。 顔を上げると、カイが通学カバンを 片手に、私を見下ろしていた。 「俺はもう帰るけど… 千咲希はどうする?」 「えっ…」 空を見上げると、すでに幾つか ぽつぽつと星が輝いていて、ずいぶん 時間が経っていることがわかった。 「…帰るよ」 「あ、そう?じゃ、下に行こうぜ」 私の通学カバンを渡して、 カイは悠々と屋上の扉に向かっていく。 置いていかれちゃ堪らない。 カイのあとを追った。