家に帰ると、やっぱりお母さんと
出会うことはなかった。
会うこと自体 滅多にないことだから、
そんなに肩を落とすわけでも
ないんだけど。
相変わらず、
ダイニングテーブルの上には手紙と、
晩ご飯が置いてある。
『今日のご飯は、オムライスです。
ちょっと急いでたので…。
温めて食べてね。
大好きだよ。
――お母さんより』
…お決まりのセリフの隣りには、
珍しくラップで包まれていない
オムライスがあった。
ケチャップで、筆記体で、『Chisaki』と
書かれている。
…私は、いつも通りの夜を過ごす。
屋上での出来事に、
心を引っ掛けながら。



