「あ、もう帰んの?」
「…うん」
通学カバンを肩にかけつつ、応答する。
もうそろそろ、お母さんが
バーに出かける頃だろうし、
あんまり遅く帰ると、勉強する時間が
なくなってしまう。
「…じゃあ…」
カイは、私がじゃあね、と
言いかけたのを遮った。
「俺も帰るわ。下まで送る」
「えっ…」
カイも立ち上がって
通学カバンを持つと、眉をひそめる私を
置いて、扉に歩いて行く。
「早く帰ろうぜ?」
…なんか、ちょっとムカついた。
何も言わずカイを追い越そうとすると、
隣りに並んで同じ歩調で階段を
降りられた。
そのまま、下へ。



