「疲れる…」 「ん?なんか言った?」 「…別に」 なんだかどうでも良くなって、 薄い紺色にひたされた空を仰いだ。 街にぽつぽつと灯りが着き始めたのが、 屋上からはよく眺望できる。 「あ、また一番星が光ってる」 西の空に昨日と同じ一番星を発見して、 カイがはしゃいでいる。 今日は昨日よりも微量に雲が多い。 そんなことに今さら気がいった。 きらびやかな夜景が見えるまで、 あと、何分だろう。