1段登ると、カツンと、ローファーと 非常階段が当たる懐かしい音がした。 …息をついて、 1段1段、ゆっくりと上がっていく。 視界が徐々に高くなっていくのも、 あの日から変わらない。 また時間が経てば、ここから見える空は 星空になるのだろう。 …上がっていく。 カイとは、もう会えないかもしれない。 今日が、 屋上に来る最後の日、かもしれない。 大学は、ここよりも 遠いところにあって、 独り暮らしをするつもりだから。 バイトでお母さんに仕送りしたりして、 暮らしていく。