「今日は部活休みだから一緒に帰ろ!

近くに美味しいカフェ見つけてさー、

1回 千咲希と行ってみた…」



「あ、ごめん。今日はちょっと

寄るとこあるから無理かな…ごめん!」



手を合わせて断ると、リサは変顔をして

『千咲希のバカッ!』と

私の肩を小突いた。



私も笑って、小突き返す。



「もー、せっかく休みなのに…。

親友のリサちゃんを置いて、

千咲希はんはどこに行くの?」



「え、ちょっとね」



リサの問いを軽く受け流して、

晴れ渡った窓の外に目をやる。



…季節は冬。



偶然にも雲ひとつない空に、

思いを巡らせた。