星想い




もう帰ろう。



空想野郎らしい

夏崎カイと話していても、

頭痛を引き起こしそうになるばかりだ。



…屋上の扉に足を向け歩き始めると、

夏崎カイが私に囁いた。



「な、千咲希、明日も来いよ。

家にいっぱい星屑があるから、

持ってくる」



星屑って…なに…。



さっそく呼び捨てにしてきた夏崎カイを

無視して、扉に手をかける。



あいつの方を見ずにつぶやいた。



「…気が向いたらね」



あいつと居ると

嫌でも煩わしく思うけど、

断ったら失礼だよね。



社交辞令的に返事をして、

扉を開け、階段をおりていく。