「うん、ちさき、放さないよ!」 「そっかぁ。…千咲希。 千咲希は、パパのこと、 どのくらい好きかな?」 肩の上に乗る私は、 無邪気な笑みを浮かべて、いった。 「んーと、すっごい好き! パパ大好き!」 「そっか! パパも千咲希のこと、大好きだよー」 …星空の、下。 そのまま家に着けばいいのに。 幼い私を見てそう願ったけど、 夢が、暗転。 鏡の中のような空間を通って、 映った、夢。 リビングで酒を飲み下す 父親と、そばで呆れたように 父親を眺める、 少し大きくなった私だった。