「はは…星を捕まえる、か…。 千咲希は空想が好きだなー」 「くうそー?なにそれー?」 「んー…世界がすごく輝いてみえる、 不思議な想像のことだよ」 「せかい?そーぞー?」 「アハハ、千咲希には まだわからないかな。 ほら、千咲希。 手を放しちゃダメだぞー」 見れば、父親が、 肩の上に乗る私の両手を、 しっかりと握りしめていた。 …私も、握り返している。