静かな部屋の中。 耳に入るのは、 アナログの時計の音だけ。 布団のなか。 …暗闇の、なか。 寝たいけど寝られなくて、 眠りの海の水面を彷徨っている。 そんな、感覚。 ぼんやりと宙吊りになっている 意識の中で、 津田の言葉が思い返された。 …母子家庭だから、特別なんだって、 考えたこともなくて。 私が頑張る意味も、 将来お母さんを楽にさせてあげたいと いう、願いからで。 でも、みんなには、 そうは見られていなかったらしくて。