自分が、 こんなにも最悪な人間だったなんて、 まるで知らなかった。 布団の中。 暗闇の中。 体育館裏に呼び出された時は、 こんなことになるなんて、 予想もしてなかった。 人の頬をはたいたことなんて、 初めてだった。 はたかれたことも、初めてだった。 『母子家庭だから 優遇されると思うなよ』 津田の言葉が、私の中に潜んでいた ピストルの引き金を、引いたのかな。 ギュッと、枕を握る。