この場に、とどまれなかった。
立ち上がって、
校門に向かって、走った。
私を嘲笑う声が、
後ろから、耳に届いた。
逃げ出した。
あんなやつら、から。
どうして私が、こんなこと、
されなきゃいけないの。
寒い。
凍える。
そう考えた時、
1つの答えが、頭に浮かんできた。
“私が、母子家庭だから”
お母さんは水商売なんてしてない。
私も、身体を売ったことなんて、
1度もない。
頭では認知していても、
悔しくて、しかたがなかった。
何か生温かいものが頬を伝って、
今の私はきっと、
すごく、不細工な顔で。
誰にも見られたくなくて、顔を隠して、
ただひたすら、道を走った。



