一瞬、状況を理解できなかった。 見れば、小沼が 倒れこんだ私の目の前に立っていて、 あぁ、小沼に叩かれたんだって わかった。 じくじくと、 痛みが頰に浸透してきた。 悔しくて、いてもたっても、 居られなかった。 「私は生活保護なんて、受けてない! それに、お母さんは…っ」 「嘘つくなよ」 小沼が、私の言葉を遮った。 「水商売でもしてんじゃないの? それとも、あんたが売春してんの? じゃないと私立の高校の授業料なんて、 払えるわけないじゃん」 視界が、歪んできた。 もう、無理だった。