星想い







――許せ、なかったんだと、思う。





私個人のことを悪く言うのなら、

いくらでも堪えられた。



水をかけられても、特になんとも、

思わなかった。



でも。






母子家庭に対するその言い草だけは、

許せなかったんだ。






「…っ黙れ!!」



気づけば、飛び出していた。



津田に飛びかかって、

濃い化粧が塗られているだろう頰に

向かって、思いきり手を振った。



パンッ、て、

小気味いいくらいの衝撃が、

手のひらを伝って、

身体中にこだました。



その瞬間。



私の左頬にも、強い打撃を感じた。