道行く人が、私を物珍しげに見ている。 やめて。 指をささないでよ。 世界中が、 私を嘲笑しているように思える。 こんなことなら、 空想なんかするんじゃなくて、 もっと強くなれば良かった。 よわい、わたし。 ――わたし、別の、 幸せな家庭に生まれたかった。 目指すのは、屋上。 私がうつつを抜かした場所。 ただ、その一箇所だけ。