「だから、ごめんって。 今度からは、捕まらないようにする」 カイが頭を掻いて苦笑するのを横目に、 空を見上げた。 …すでに、宵の明星が、 西の空に浮かんでいる。 しばらく沈黙が続くのはいつの間にか、 私たちの中では そんなに稀なことじゃなくなっていた。 居心地が悪い訳でもないから、 なんとなく、 気持ちが落ち着くんだろう。 だけどずっと黙っているのも暇で、 口を開いた。