ゴロッと転がる魚住譲治の頭。


表情には恐怖が刻み込まれていた。


「にぃ! 向こうにスナイパーがいたから殺しといたよ!」


全体に返り血を浴びた姿で笑顔を浮かべる水亜。


手にはスナイパーであろう頭を掴んでいた。


「う…ゔえ゙っ!!」


切り離された部分と血塗れの水亜を見て奴は地面に吐き出した。


「……吐くなよ」


「っ、仕方ねぇだろ! 部位が飛ぶなんて…平気でいられる訳ねぇだろ!」


肩で息をつきながら睨みつける。


情けはない。


奴は銃口を向けられた事により、顔が強ばったのがわかる。


「ま、待ってくれ! 無理を承知で頼みたい」


奴は地面に手を着けて頭をつける。


「俺を…仲間にしてくれねぇか?」


「……」


「何でもする! だから殺すのだけは……!」


ダァンッ


「……っ」


銃の弾は奴の頭の先ギリギリに当たった。