倉庫の中は機材が置かれていて、広く、油臭い。
バンッ
前方から発砲された弾が眉間めがけて撃ち込もうと流れる。
ダンッ
後方にかわし撃ち返す。
俺の撃った弾は外したようでコンクリートに当たった。
「チッ」
相手が何もしてこないため、機材の影に隠れて様子をうかがう。
「……にぃ」
そこに水亜もいた。
鞘を握り締め、心配そうな顔をしている。
そんな妹の頭を撫でて影から様子を見た。
「ハハッ、虎くん。 相手はどうだい?」
同業者の名前は虎-トラ-、らしい。
声をかけた魚住譲治のそばに惠がいる。
守り手がいるからなのか逃げる様子はない。
「隠れてるんでしょうけど、俺には余裕っすよ」
ケラケラと笑う虎はフードで顔を覆っている。
……随分甘く見られたようだな。
殺す。
もう一丁の銃を取り出し、身構えた。