はぁ…にぃは今日もカッコイい。
殺し屋兼、情報屋であるにぃは黒に統一された服装に身を包み相手と対談している。
カラコンを外すと本来の月色の瞳のにぃがそこにいるのだ。
余裕の態度で接するため高校生には見えない。
依頼者から見ると二十代に見えなくもない。
いつもの習慣でありつつの隠し撮りを行った後、話を聞いた。
「人を、殺して欲しいんです」
依頼者は四十代のひょろっとした男性。
「……皆殺しにして組頭と姐である頭を持ってきて欲しいんです」
……わぉ。
頭部を欲しがるなんて、変わった依頼者だね。
その後は写真と分厚い箱を渡して依頼者は出て行った。
一息ついてから私がいる方のドアを開けて、
「殺しに一千万かけやがった依頼者をどう思う?」
私を見下ろすようににぃは聞いてくる。
「気付いてた?」
「当たり前だ」
とにぃは言った。