僕らの時代と違って、今の『ヤンキー』は目を合わせたくらいでは怒りを表さない。 自転車が邪魔であるとか、レジの作業が遅い、であるとか、一般人が感じる怒りと大差ない。 だったら、素直に生きればいいものを、粋がって、いつもキョロキョロして、眉と肩を怒らせている。 僕にはそれが、挙動不審で臆病な人間にしか見えない。 とまあ、こう僕が言えるのも達也のお陰だ。 達也は僕たちの地区でも有名な『ヤンキー』で、この辺りの若者であれば誰だって知っていた。