僕は携帯電話を握ったまま、髪の毛が濡れているのもそのままに、ベッドに仰向けになった。 「今日はいろんなだったなあ…」 自分自身で今日のことを過去形にしているのに気づき、美穂さんのメールを寝ていて見なかったことにしたらどうなるんだろうと、邪な考えが過ぎったとき、それを見透かしたように携帯電話が鳴り始めた。 僕は携帯電話を確認する。 『原田 美穂』 やっぱり美穂さんだ。 僕はおそるおそる、通話ボタンを押した。