「心当たりは……」 「…………」 「まさか……」 「…………」 「誰かが使ってるってことか?」 「……うん……そうなのかも」 「怖いな……」 「……うん……でも、そうと決まったわけじゃないし……」 「…………」 「一度……言葉にしちゃうと怖いね……」 リエは無理矢理笑顔を作ってそう言った。 その大きな目にいっぱい涙を溜めながら。 その笑顔はすごく痛々しくて、強い日差しを見たときのもやもやとした黒い残像のように、僕の網膜に焼きついた。 僕の心にも強く焼きついた。