書類を置くべき倉庫へ行ってみると、まあ、案の定とも言うべき光景が広がっていた。

僕らが運んできた荷物を受け取って倉庫に整理する役のやつらと、ファイルを四・五冊だけ持って上っていった先輩女性社員たちが、雑談で大いに盛り上がっていた。

僕らが持っていった荷物は放っておかれている。



僕はそいつらに声を掛けることなく、空いた場所に荷物を置いた。

そして、階段を下りようと踊り場に来たとき、境はようやく二階にたどり着いた。

ちょっと辛そうな境を見て(手伝おうか?)と、僕はそう言い掛けてやめた。