リエはシートに体を戻すと、しばらく目を伏せた。 長い睫毛が小刻みに震えている。 そして一瞬、唇にきゅっと力を込めると、意を決したように話し始めた。 「あのね……」 「うん」 「入社式の後のオリエンテーションの時のこと、覚えてる?」 「……ああ。それが?」 「私たち、一緒の班になったよね?」 「うん、そうだったな」