「ねえ! ちょっと、高梨君! それでね……」


「ああ、はい、はい」


まだ、隣の短大卒は話している。


僕は適当に相槌を打ち続けた。


最初は聞き流すのも失礼だと思って黙って聞いていたのだが、話の内容に脈略もなく、何度も同じ内容を話した挙句、もう三遍も振り出しに戻っていたからだ。


今頃は四回目の彼氏の不貞を発見した場面に涙していることだろう。





リエの足が僕の足に当たる。


見ると、掛けてやった座布団を二つ折りにして枕にし、足を僕の方に投げ出して涅槃のポーズで寝ていた。


ちっとも神々しくはないが。