ブランコ。

ひと際凄まじく、腹にドンと来るような音を立てて二尺玉があがった。


小さな花火大会の唯一の目玉だ。


その夜空に咲く大輪は、遠くからでもよく見え、この花火大会のポスターにも使われている。


なんでも西日本で数箇所しか上がらないらしい。





あちこちで子供の悲鳴が聞こえる。


きっと二尺玉のあまりの迫力に負けたのだろう。


その数百メートルはある、数分間も消えることのない光り輝くしだれを見ていたとき、突然、僕の目は僕の意思に反して涙を流した。