ブランコ。

結局、トラック状になっている会場で先輩たちの所へたどり着くためには、さらに何十分もかけて一周してこなければならなかった。


口を開けて上を見上げる馬鹿みたいな見知らぬ集団と一緒に歩く。


今度は失敗しないように、隙を見てはトラックの内側へ内側へと寄るように割り込んでいく。


目指す屋台が見えてきた。


僕は、先輩がまた腕を伸ばしたりしてないか心配したが、それはなかった。


そして、先輩がまた腕を伸ばしたりしてないか期待したが、それもなかった。