ブランコ。

「高梨君、何か食べない」


「いえ……」


先輩はそんな僕を見て、悲しそうに眉を曇らす。


「楽しく……ないかな?」


「いえ……」


先輩には悪いが僕は何も話したくなかった。


誰とも話したくなかった。


ただ、先輩だけを見ていたかった。