「それで今日は? リエはね……うん、ダメだって」


お母さんは少しイタズラっぽく笑った。


やっぱりリエから聞いているのだろう。


「はい。これとこれを預かっていただければ……。それと、誕生日おめでとう、と」


「わかった。……ん? これは……」


お母さんは新聞包みのタッパーの方に鼻を寄せて、くんくんと匂いを嗅いでいる。


「大谷町の雑貨屋さんに行ったのね?」


「えっ! どうして、わかるんですか?」