僕が二十回鳴らして出なかったら切ろうと思っていた時だった。 電話が繋がる。 「もしも……」 「ばかっ!」 それだけ言うと電話は切れた。 大音量のために、聴力を取り戻してない耳の僕は、ひとりだけ違う世界に取り残されたような無音の世界の中で呆然としていた。