「で、理由を言うつもりはないんですか?」

「・・・・・・」

返事がない。

その人の荒い息遣いだけが女子トイレに響く。



僕はその人を照らしていた光を、顔から腰の部分へ変える。

そうしたのは、なんだかテレビで見た警察の強引な取調べを自分がしているように感じたからだ。



重苦しい沈黙が続く。

僕としては出来るだけ待ちたいと思った。

決して行って良いことではないが、その人にもきっと理由があったんだろう。

そして、それを許すのはリエだけだと思う。

そして、それを裁けるのも。