メールが届いたのだろう。 リエがパソコンのディスプレイから目だけを出して、こちらに合図を送る。 たぶん「わかったよ!」とでも言いたいのだろう。 よせばいいのに、ただでさえ目が大きくて目立つのだから。 僕は合図を送り返さなかった。 言葉を交わすことなく、一瞬の目の交錯だけで相手の意図を読み取る。 こういった行動は、これを目撃した第三者に、僕らが親密であるということを、必要以上に強調してしまう。 そして、当事者にも。