「あーほら。否定しかねますってか」

「いっ、今はね?今はだよ⁈ 」

「そうかなぁ。なんかあたし的に印象変わってきてるんだけど」

「…へ?」


印象?印象って…


「…な、何の?」

「何のって、そりゃあ奴のだよ」

「奴?」


まさかと思いつつ、ついでにちょっと不安な気持ちになりつつ、覗きこむように琴乃の方を窺ってみると、琴乃はケロっとした顔で口を開く。


「拓也だよ、拓也。24歳の拓也君」

「!」


や、やっぱりですか…


琴乃と拓也君の話をする事は多い。というか逐一報告していると言っても過言ではないかも…ってくらいなんだけど、その度拓也君に対して琴乃から下される評価はとても…なんていうか…ひ、低い。

てか悪い。

それが印象変わったってどういう事だろう…うぅ、嫌な予感しかしない。興味すら失せたか、最低だと評価を改めたか…


「案外、本気かもね」

「そうなんです。案外本気…ん?」