小悪魔的な彼と悲観的な彼女



きっと拓也君の口から聞いてたら、もっと違ったのに。


「…恥ずかしかったから。やっとすみれさんの傍に居られるようになったのに、そんな過去を知られて幻滅されたくなかった」

「でも私の他にも女の人が居るんだって、何も知らない時から思ってた。飲みに行ったり、夜中に連絡が来たり、会う約束が合ったりして…」


それを感じて猜疑心が育っていった所もある。だから私も自分に言い聞かせて、受け入れる努力をして来たのに、拓也君はそんな私も許さなかった。


「…職場の人とか友達と、後は昔のそういう関係だった人達。なかなか離れない人もやっぱり居て、断って回ってたりとかして…だけどもうそういうのは無いんだ、本当に無い」

「でも、明らかにそんな感じだったのに」

「……後はね、後は…前にも言った事があるんだけど、すみれさんに気にして欲しくて、意地悪したくて…それでっていうのも…あぁ本当に、本当にどうしようも無いんだけど、本当に子供で嫌になるんだけど、だけどそういう事でも…あって」

「…わざとそう見せたって事?」

「…ごめん」

「……」

「ごめん、すみれさん。ずっと余裕なフリをして、大人に見せかけようとしてきたけど、でも本当はずっと、無理矢理だったけど付き合えるようになってからもずっと、ずっと不安で…本当にすごく嬉しかったから余計に、すみれさんの気を引きたくて…本当に、どうかしてるよね…」