小悪魔的な彼と悲観的な彼女



…その時、私の想いを言葉にしたそれは私では無く、拓也君の口。


「信じられないよね、当然だ。だって僕はずっと黙ってて、ずっとごまかしてきた。すみれさんが不安に思ってる事も知ってて見ない振りをしてきた」

「……」

「そんな僕の話を他の人から聞いて、ずっと気になってた事がそこで明らかになって、それが知られたくなくて隠してきた事実だったんだってなったら…それはもう、真実以外の何物でも無くなっちゃうよね」

「……」

「今更僕が何を言おうともうダメなのは分かってる。それが責任から逃げてきたツケだから。だけど…その時からずっと彼女は居ないし、付き合ってからは本当にすみれさんとだけ向き合ってきた。それは本当…」

「……」


そして、どうしようも無いと、もうどうにも出来ないといった諦めたような表情で、拓也君は弱々しく笑う。


私は…私は、どう思う?


どうやったら拓也君の言葉を、信じられる?


「…なんで今まで教えてくれなかったの?」