小悪魔的な彼と悲観的な彼女



「…そんな…」


拓也君の口から、拓也君の言葉で語られるそれは…私。


…私は、そんなに素敵な物なのか。

今までの人生、良い事なんてまるで無かった。最初に抱いた夢だって叶わないってすぐ分かって諦めたし、そのまま就職したけど接客販売業はやっぱり自分に合わなくて、でも始めちゃったら辞めるに辞められなくて結局転職に踏み切る事も無いまま私はこんな年まで同じ所にいた。

嫌だ嫌だ文句言いながらも自分で一歩踏み出す勇気は無い、そんな私は今日まで惰性で生きてきたんじゃないかなって思う。


「そんなカッコいいもんじゃないよ、私は…」


プライベートだってそう。重いとかウザイとか言われるのだって、相手の気持ちが分からないどうしようもない自分のせい。自分の事で精一杯で人の気持ちが分からない。やってあげたいって気持ちはやって欲しいって気持ちが無いとただのお節介。どんなに好きでも一方通行だったらただの迷惑。

全部自分が悪いのに。自分を辛くしてるのは全部自分なのに、それなのに私は自分の事で悩んでどうしようもなくなって人にまで迷惑をかけてる始末。


「どうしようも無いよ私は。大人とかそういうんじゃなくて、私のはただの自業自得…」

「そうやって考えられるのが、僕の知ってるすみれさんだ」

「…え?」