「本気です。僕達は初対面です」
揺るがない、揺らぐつもりはない。そう言われたような気がした。それはこれが真実だからと、そういう事なのだろうか。それともそれって…
「すみれさんは、僕の事覚えてる?」
「…え?」
…それはまるで、私の思考を阻むかのように。突然振られた質問は、拓也君に疑いを持ち始めた私を見抜いたかのように向けられたもの…で。
「初対面かってすみれさんもこの間聞いたよね?もしかしたら琴乃さんみたいに僕の事見た事あるのかなと思って」
「……」
「どう?僕の事見た事ある?何処かで…会った事がある?」
「……」
ーー微笑む彼の、瞳の奥深く。
琴乃が気づいたかどうかは分からない。でも…ずっと彼の気持ちを知りたいと思ってきた、その瞳を見つめてきた私には分かってしまった。
そこにはいつもの楽しむ彼が居た。この状況をなのか、私が動揺してるのを…なのか。何に対してなのかは分からないけど、いつものように楽しんでる彼は確かにそこに居た。…でも…なんだろう。
何故かそこにはもう一つ。それとは別に何故か、どこか…切なげな、彼が見えたりして…



