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そんな訳で今私は此処に居る
タクに続いて着替えを済ませた私は
鏡の前に座ってメイクを始めた
‥‥実はメイクをするのは久しぶり
制服のまま夜の街に出たあの日から
メイクはしていなかった
鏡に映る自分の顔に
仮面を作り上げていく
私はこの仮面を纏っていないと
生きてはいけないんだ
‥‥臆病者だから。
「よし‥‥これで良しっと」
身だしなみをチェックしてリビングに向かう
タクはもう準備を済ませて
ソファーに座っていた
「おまたせ」
そう声を掛けると
タクが振り向いて柔らかく笑った
「メイクしてるユエ‥‥なんか久々。」
「やっぱり??私も思った」
タクも同じ事を思っていたと知って
私もつられてクスクス笑う
タクは私の頭をそっと撫でると
“俺はどっちのユエも好きかな”と言って
軽くキスを落とした
「よし。行くか」
「行くかって‥‥どこに?」
首を傾げる
するとタクは“デートだよ”と私の手を引いて
歩き出した

