惚れた弱みは蜜の味♡


金曜日まであっという間だった気がする。あれから、白雪くんには会っていない。いよいよ明日、本当に彼は私を待っているだろうか。


気づくと放課後になっていて、部活に向かう。終わった後も、彼に会いに行くつもりはない。


「メグ、今日の練習は何だっけ?」
「さぁー、何だっけ?」
「覚えてないの?」
「昨日は雨だったから筋トレだった」
「昨日のことは聞いてないって」


メグと話しながら歩いていると、目の前から、彼が歩いて来る。白雪くんだ。


彼が通ると、全日制の女子達が騒ぐので、すぐに分かる。今までも騒がれていたはずなのに気づかなかったのは不思議だった。それほど部活にしか興味がなかったのだろう。


お互いに挨拶も、会釈もせずに、すれ違った。彼の後ろ姿を見て、メグが言う。


「あの人、モデルの白雪くんだよね?」
「そうだね。でも、よく大騒ぎにならないよね」
「いや、四月は大騒ぎだったよ。今はそれほどじゃないけど」


そうか、私は、不幸なことに入学早々、ケガで一度入院したからなぁ……。
彼の四月を、私は知らない。



彼のことも、最近知ったし。
もちろん知らないことも多い。




……いやいや、別に知りたくもないし。急がないと部活に遅れる。そう自分に言い聞かせて、グラウンドへ急いだ。