惚れた弱みは蜜の味♡


「顔、真っ赤。夕日みたい」
「バカっ……だって」
「何で?」


この人は確信犯なのだろうか。
分かってて聞いてるに違いない。

だから、バカ正直に顔に出ちゃうのがすごく悔しい。


「な、何で、そんなことで壁ドンするのっ……」
「……かべどん? 壁でも叩くの?」
「ち、違う! い、今みたいな……いや、何でもない!!」


すごく近い。息が顔にかかりそう。恥ずかしい。そんな私の心も知らないで、彼は真っ赤な私を目の前にして、首を傾げるだけだった。


「はやく離れて!」
「……あ、ごめん」


白雪くんは離れると今度はそっけなく後ろを向いてしまった。



「あー、もう暗いし。勉強する時間なくなっちゃったね。アンタがもっとはやく来てくれたらよかったのに」
「わ、私だって、授業と部活があるんだから!」


思わずキーッとなって言い返してしまう。何なのこいつ。せっかく、来たのに。



「今週の土曜」



すると後ろ向きのまま、顔もろくに見せずに白雪くんは言った。


「今週の土曜、部活の後……アンタの部活が終わったら、来いよ。また教室で待ってるから」
「……え?」



白雪くんは振り向いて言った。やっと顔が見られた。真っ赤だった、彼の顔も。



「来たら、勉強教えてやるよ」
「……白雪くん顔赤過ぎ、赤点だね」
「アンタみたいなバカと一緒にするな」




バカで結構。そんなこと百も承知。
バカ正直なのが、私の取り柄らしいから。