「屋上なんて、初めて来たー!」
「普段は立ち入り禁止だからね」
でも、勝手に入っちゃって平気なの?
そう質問しても白雪くんは真面目に聞いてはくれない。
「バレなきゃ大丈夫。まあ、バレたとしても、俺は、優等生だから、すぐ許されちゃうな」
「嘘つかないで」
仮病してまで授業サボる人が優等生な訳がない。
夕日はもう沈みかけていた。微かに見える夕日と屋上にある静かな電灯だけが二人を照らしている。
「もう暗くなって来たね。日が沈んで夜になる。で、また朝が来る。私、夕日って好きだな」
天気は西からうつるという。
明日もきっと晴れる。
そう思った。
「でさぁ、“瀬名さん”」
軽く押されて、カシャンッと音がして、背筋に悪寒を覚える。フェンスが私を支えていた。目の前には、顔。白雪くんの顔。
「な、何するの」
その距離はあまりにも近い。その透き通った瞳には私の顔がうつっている。否応にもフェンスに押さえつけられて、身動きが取れない。
でも、不思議と痛くはなかった。
「ねぇ、瀬名さんの好きなこと……する?
それとも、嫌なこと?
どっちか、選ばせてあげる」
