「まあとりあえずそんな落ち込むなって」



雄大は私の頭を撫でた。



もう。生意気に。




「まさか彼女がいたなんて~…」


勉強する気もなく机に突っ伏す私。


すると


「まあでも…諦めないってゆーのも1つの手じゃん?」



「諦めない?彼女いるのに?」




私は雄大の言葉にガバっと起き上がった。




「好きな人に好きな人がいても

ってヤツ」



雄大は私を見ずに言った。



「なによいっちょ前に」



好きな人すらできたことないんでしょ?



全く。生意気に。



生意気になったんだから。




「ま、とにかく落ち込むなって」




……。




この日は雄大が大人っぽく見えて仕方なかった。