朝をむかえた。
いつものように朝食を食べ、歯を磨いて顔を洗って家を出る。
今日はどちらとも一緒に行く約束をしていなかった。
緑の葉が茂る並木道を歩く。
やっぱり考えると緊張するな…
私は家から学校までとても近い。それはもちろん雄大もそうだし千里もそうだ。
そういえば、佐野くんはなにで学校まで来てるのかな…?
えっ、ここまで考えてていいのか私大丈夫か…?
でも好きなんだから良くない?誰かに言うわけでもないし…
や、限度があるから…ね?
自分の中でたくさんの自分が会話してごちゃごちゃしている。
うーん…と頭を悩ませながら人の多い駅の前を通り過ぎた。
「佐倉?」
えっ?
振り返ると佐野くんがいた。
「佐倉?あれ?電車?」
駅から出てくるたくさんの人混みの中に佐野くんがいる。
そして私に近寄ってきた。
「ううん。家がすぐそこなんだ」
私は今来た道を見ながら言う。
「そうだったんだ」
「佐野くんは電車なんだ?」
「そ。20分くらいかな」
そ、そうなんだ!!!!
新しい収穫だよ!!
佐野くんは…電車通いだったんだね。
しかも…朝から佐野くんに会っている!
胸を踊らせる私の横で佐野くんは不思議そうに私を見ていた。


