「あと少し」
駅を出て、雄大が最初に発した言葉だった。
何があと少しなのか…
目的の場所に着くのが?
それとも、今日が終わるのが?
どっちでもいいね。
君と一緒にいられるなら、きっと他には何も望まないのに。
人混みの中、私の手を引く雄大は緊張しているように見えた。
「お腹減ってる?」
「んー…実はあんまり減ってない」
「よかった、俺も」
クリスマス・イヴ。街は美しく電気で彩られ、恋人たちを祝福している。
私の手を引きながら、人混みを進む雄大は少し前を歩いていた。
周りには人がたくさんいるのに、世界に私たちだけが取り残されたかのように、何も見えなかった。
そして、たどり着いたのは…


