そしてまた、電車移動するらしい。
夜の電車は、帰宅ラッシュが激しかった。
ホームについたとき、ちょうど電車がやってきた。
「…人多いね」
「あ、」
電車に乗ってすぐ、雄大が人をすり抜けて歩き出す。
多すぎて、どこにいるかわからない…
早いよ雄大…!!!
すると
グイッ
私の腕が引っ張られる。
人をうまく交わして、私はその腕に包まれる。
「座りなよ、楓」
すぐ下を見ると、雄大の荷物が置いてある席があった。
「えっ、いいよ!雄大座って?」
「え、いやアホか!
自分座って女立たす男どこにいんだよ」
そういって雄大は自分の荷物をどかして、私の肩を軽く押した。
その反動で椅子に座ってしまった。
「あ、ありがとう…」
「当たり前だっつーの」
さり気ない優しさにドキドキした。
そんな二人に会話はなく、目的の駅につくのにそう、時間は経っていないような気がした。


