「まあ二人は一緒にいるんだろ?
なら大丈夫だな」
佐野くんはそういうと手招きをして
「じゃ、行こうか佐倉」
ニコニコと私に微笑んだ。
え、ということは…
で、デートぉぉ!?!?
これはこれでありかもしれない…!!
迷子万歳だった。
少し歩くと大きい魚が現れはじめた。
「おっ!!サメじゃん!」
「サメ…好きなの?」
大きな水槽を見ながらはしゃぐ佐野くんに私は聞いた。
すると佐野くんはこちらに目線を移した。
「大好き」
子供のような笑顔で言った。
な、なんだろう…。
自分が言われているようで何故かドキドキが止まらなくなった。
“大好き”
言葉とその時の佐野くんの表情にドキドキが収まらない。
心臓が破裂しそう…。
ちょっぴりサメが羨ましかった。
「いやー悪かったね
結構サメで時間とったわ」
しばらくして佐野くんが水槽から目を離す。
ごめんごめん、と笑いかけた。
「ううん、大丈夫だよ」
そして私達はまた歩き始める。
三階に…着かなきゃいいのに。
「佐野くんはサメが好きなんだね」
人混みの中、少し大きめの声で佐野くんに聞いてみた。
「そうなんだよ。子供の時から。
なんか強そうでさー。
ジンベエザメが一番だけど♪」
今も子供みたいに可愛いよ。
クスクスと笑ってしまう。
「おい!笑うな!」
その時
ドンっ
「わ…!?」
やばい!
人混みに押され、私の体制は崩れた。
転ぶ!!!


