本当の「好き」に気づいたとき、




「そろそろいい時間じゃん?

次行こっか」



佐野くんが時計を見ながらみんなに言った。


みんな頷いて水族館へと歩く。



さっきのような組み合わせで。


「佐倉は雄大と本当に仲いいんだね」


佐野くんが言った。


「ま、まあ…色々気があったりするけど…

く、腐れ縁だよ!」


必死に否定する。




そんなのずっと思われていたら誤解されてしまうかもしれない。




「そうなの?」



佐野くんがクスクス笑った。



あっという間に水族館についた。



「へぇ~!結構おっきいんだね!」


千里が見上げる。



三階ほどの大きさだった。



「何年ぶりかな〜」


私もはしゃがずにはいられなかった。



中は程よく涼しくて気持ちが良かった。


入口には小魚がたくさん。


奥に入るにつれて人はどんどん増えていった。


「千里!見て!ニモだよ!」



私がはしゃいで千里にいうと



「カクレクマノミね」



呆れたように笑った。


「俺も好きだよクマノミ」


私の横から水槽をのぞき込む佐野くん。



ちょっ!顔近い…!!!


「ね!私もニモから知ってさ!」


私の声が大きくなっているのが自分でもわかる。


「あ、向こうタコいるよ」


私が千里の声に振り返ると…


「え?千里?」



さっきまで後ろに千里と真田くんがいたのに!!!



「さ、佐野くん!迷子になっちゃったよ!」


慌てて横にいる佐野くんを見上げる。


すると


「大丈夫だよ佐倉。

迷子になったのは俺らじゃなくてあっち」



ははは、と余裕そうに笑う佐野くん。


綺麗な白い歯とその笑顔に思わず見とれる。


すると千里から携帯にメッセージが入った。




【迷子った!私は陽介と一緒だから三階で合流しよ!】




「……だって」


と、佐野くんに伝える。