楓side
「えー明日から冬休みなわけだが…」
今年最後の朝のホームルーム。
「ウチのクラスには赤点者が数名いる。
必ず補習にくるように…」
お気の毒に………
私は受かったもんね。
私は少し優越感を持ってクラスを見渡した。
授業もほぼ自習。
あっという間に昼休みになった。
「明日から冬休みかー…
いっぱい遊ぼうね」
ご飯を食べながら千里が言う。
「そうだね~」
私も返す。
楽しみだな~…
千里と遊んで…
雄大とも遊んで…
充実した冬休みを送れそう…!
「佐倉冬休み予定がたくさんあるみたいだね」
佐野くんが私達の方を見て言った。
「まあ!」
私は笑顔で答える。
「じゃあ俺とも遊んでよ」
……へ?
「え…」
私が戸惑っていると、
「ダーメ。
楓の予定は私で埋まってんの」
千里が佐野くんに言った。
でも私は気づかなかった。
千里が佐野くんを睨みつけるように見ていたことを………
そして私たちは冬休みを迎えるーー。