本当の「好き」に気づいたとき、




龍輝side



「で、このxを…」



俺は佐倉に数学を教わっていた。





そういや、前は俺が佐倉に勉強教えたっけ。








……勉強教わる…なんて口実だけどね。




「聞いてる?佐野くん!」



佐倉が俺を見つめる。




「うん、聞いてるよ」




微笑ましい。愛おしい。



好きだなーーーー…。



「で、この5をyに代入する!」



「へぇー…ここの3はどこいったの?」



俺が聞くと…



「どれ?」



ずいっと佐倉が身を乗り出してノートを見る。



一気に距離が近くなる。



……





俺…あの時佐倉のこと何とも思ってなかったから気軽に触れたり、ドキドキもしなかった。



でも…




今は…




こんなにもドキドキしている。





「……ど?わかった?」



佐倉は愛くるしい目で俺を見た。



「うん、なるほどね。

佐倉こんなに勉強出来てたっけ?」





俺は余裕なふりして頬杖をつく。





「雄大に教えてもらったからね!!」





雄大、の名前に今までの幸せな気持ちが一気に闇に包まれる。





「そっ…か」




どんどん先に進む雄大。




どうしよう。





俺は途方に暮れていた。