「ありがとう…」
私は素直に甘える、という選択肢を選んだ。
「いいっていいって!
じゃ、早く終わらせちゃおっか」
佐野くんはニコっと私に笑いかけると作業を勧め出した。
佐野くん。
私だけを見つめてくれる日なんて来るのだろうか。
でもとりあえず、学習旅行は楽しまなくちゃね!
そして
作業してから1時間ちょっと。
やっと終わった。
「終わった~!!疲れた〜」
佐野くんが伸びをしている。
私は佐野くんといられて嬉しかったな。
「暗くなったからすぐ帰ろうか」
荷物とプリントを持って佐野くんが微笑んだ。
細い身体に少し長い茶髪。天然だと思う。
佐野くんは染めたりしないだろう。
背は高くて笑った顔が可愛くて。
佐野くん。
佐野くんにはいる?
想い人が。
考えるだけで胸が苦しくなるような。
いるにせよいないにせよ、私がそれになりたい。
佐野くんの想い人になりたい。


